手遊び歌を教えるのは、次のような理由からです。
手遊び歌はみつめる目と人から学ぶ目を育てるうえで有効なカリキゥラムだからです。
子供が手遊び歌をするには、指導者の手の動き(手本)をよくみつめることが求められます。
手本を見つめなければ、手本と同じように手指を動かすことができません。
そこで、手遊び歌の学習を通して、みつめる目が育まれていきます。
また、手本と同じように手指を動かすことによって、人から学ぶ目も育まれていきます。
●手遊び歌の学習は動作模倣の力を育てる
順調に育つ子供は動作模倣の力が育つことで手遊び歌をするようになります。
しかし、順調にい育たない子供は動作模倣をすることが難しいです。
そこで、手遊び歌の指導をとおして、動作模倣の力を育てるようにします。
手遊び歌の学習では、手本と同じように手指を動かすことが求められますので、同じように手指を動かすことをとおして動作模倣の力が育ちます。
動作模倣の力が育つと、子供は自然と人の行動を真似するようになります。
たとえば、食事のマナーや衣服の着脱や食事の配膳や玩具などの片づけなどを真似するようになります。真似することによって、食事のマナーや着脱の仕方や配膳や片ずけの仕方などを習得していきます。
●手遊び歌は手指の機能を向上させる
「いわしろ」では単に手遊び歌を楽しむだけではなく、手遊び歌を手指の機能の向上を図る課題ととらえています。
そのために、オリジナルなふりつけをしています。ふりつけはグー・チョキ・パーなどの簡単な動きから、手指を一本づつ動かしたり、屈曲や伸展の動きをとりいれます。
手遊び歌の指導体験からわかったことは、しっかりと手本を見つめることができるようになると手指に力が入るようになり、手本と同じように手指を動かすようになることです。また、示指が他の指の動きをリードしていて、示指がしっかりと動くようになると、他の指も連動して動きがよくなることです。このことから、指さし行動(11~12ヵ月)が手遊び歌の前に出るという発達の順序に感服させられます。
●手遊び歌の学習は、音声を聞く力を育てる
手遊び歌を教える時は、指導者が歌ったり、CDをかけます。発達が順調でない子供は、言葉の発達が遅れがちになります。手遊び歌では、歌に合わせて手指を動かすことが求められますので、歌をしっかりと聞くようになります。
その結果、音声を聞く力が育まれます。
●手遊び歌で同じを学ぶ
手遊び歌を教える際、指導者は「同じように指を動かしましょう」とくり返し指示します。その結果、動作模倣をとおして子供は同じということを学びます。